伝統工芸品と伝統的工芸品
展覧会で見られる工芸品と、観光地などで売られている工芸品とで、大きな価格差があるのはなぜでしょうか。あまり知られていませんが、伝統工芸による製品は2種類に大別できます。
    1. 伝統工芸品・・・文化財的価値をもつ美術工芸品
    2. 伝統工芸品・・・工芸的手法で大量生産が可能な製品

いずれも「伝統技術を用いた工芸品」という点で共通していますが、 1は「伝統技術を高度に発展させ、主に美的鑑賞に耐えうる」という特徴があり、 2は「伝統技術を継承し、主に日常生活用に耐えうる」という特徴があります。この区別は、作品の(あるいは制作者の)めざす方向性によって違いが生じるといえるでしょう。

見方を変えると、1は工芸作家さんが作るもの、2は職人さんが作るもの、と見ることもできます。どちらも私たち日本人が古くから大切にしてきた文化です。ずっと後世まで伝えていきたいですね

木工芸の種類

木工芸はその技法により何種類かに分けることができます。

    • 指物(さしもの)・・・釘などを使わずに、木と木を組み合わせて家具や調度品を作る技術。
    • 挽物(ひきもの)・・・ろくろなど旋盤に木を固定させ、これに刃物を当て丸みを作る技術。お椀やお盆など。
    • 刳物(くりもの)・・・ノミなどで木をくり抜き、くぼみを作る技術。木匙や器など。
    • 曲物(まげもの)・・・薄くした木材を円形に曲げる技術。合わせ目と底を閉じて器状にする。弁当箱など。

こうしてみると、指物は直線的であり、挽物・刳物・曲物は曲線的であることがわかります。ですので、たとえば指物中心の職人さんに「餅つき用の杵と臼をつくってください」という注文は、ちょっと難しいです。(実際そのような注文が一度ありました。刳物の手習いがあったので作成しましたが・・・)

ちなみに指物は拭き漆という加工がありますが、漆を専門に扱うのは漆芸という別の分野になります。また、竹細工を専門にする分野は竹芸といい、木工芸と合わせて木竹芸と呼ぶことがあります。